トゥナパハとガラムマサラ、何が違う?スリランカとインドのスパイス文化を徹底比較

トゥナパハとガラムマサラ、何が違う?スリランカとインドのスパイス文化を徹底比較

カレーを作る時、「どのスパイスを使えばいいんだろう?」と悩んだことはありませんか?スーパーの棚に並ぶ「ガラムマサラ」は見たことがあっても、「トゥナパハ」という名前を聞いたことがある方は少ないかもしれません。

実は、スリランカとインド、この隣り合う二つの国には、それぞれ独自のスパイス文化が息づいています。同じ「カレー」を作るにしても、使うスパイスミックスが全く違うのです。今回は、スリランカの「トゥナパハ」とインドの「ガラムマサラ」、この二つのスパイスブレンドの違いを徹底的に比較していきます。

トゥナパハとは?スリランカの魂が宿るスパイスブレンド

トゥナパハ(Thuna Paha / තුන පහ)は、スリランカの伝統的なミックススパイスです。シンハラ語で「トゥナ」は「3」、「パハ」は「5」を意味し、「たくさんのスパイスを使っている」ことを表しています。

スリランカの家庭では、このトゥナパハが常備されており、いわば「おふくろの味」を支える調味料。インドのガラムマサラに相当する存在ですが、その使い方や風味は全く異なります。

トゥナパハの核となるのは、以下の3つの基本スパイスです:

  • コリアンダーシード(香菜の種)
  • クミンシード
  • フェンネルシード

さらに、カレーリーフ、パンダンリーフ(ランペ)、ブラックペッパー、シナモンなど、家庭やレシピによって様々なスパイスが加えられます。

興味深いのは、トゥナパハには2つのタイプがあること。アム・トゥナパハ(生・ローストなし)は爽やかで清々しい香りが特徴で、主に野菜カレーに使用されます。一方、バダプ・トゥナパハ(ローストあり)は、スパイスを乾煎りしてから粉末にするため、より深い香りと風味があり、肉料理などに向いています。

ガラムマサラとは?インドの「温かいスパイス」

ガラムマサラ(Garam Masala)は、インド料理に欠かせないスパイスミックスです。「ガラム」は「温かい」、「マサラ」は「スパイス」を意味し、体を温める効果があるとされるスパイスを組み合わせています。

主要なスパイスは以下の通りです:

  • クミンシード(メインスパイス)
  • カルダモン
  • シナモン
  • クローブ
  • ブラックペッパー
  • ナツメグ

ガラムマサラの特徴は、辛味よりも香りを重視していること。唐辛子は通常含まれず、華やかで複雑な香りを料理に加えるために使われます。インド北部が発祥とされ、地域や家庭によって配合が大きく異なるのも特徴です。

5つの決定的な違い

① メインスパイスの違い

トゥナパハコリアンダーシードが主役です。コリアンダーの柑橘系の爽やかな香りに、フェンネルの甘い香りが加わり、軽やかで清涼感のある風味を生み出します。

一方、ガラムマサラクミンとカルダモンが主役。クミンの力強い香りに、カルダモンの華やかで甘い香りが重なり、深く濃厚で温かみのある風味となります。

② 使うタイミングの決定的な違い

ここが最も重要な違いかもしれません。

トゥナパハは、調理の初期段階で使用します。食材に揉み込んだり、油で炒めたりして、料理全体にスパイスをしっかりと馴染ませます。料理の土台、ベースとなるスパイスなのです。

対してガラムマサラは、調理の仕上げに使用します。料理が完成する直前に加えることで、スパイスの香りを飛ばすことなく、豊かな香りを立たせます。いわば、料理の「最後のアクセント」です。

この使い方の違いは、それぞれのスパイス文化の根本的な哲学の違いを表しています。

③ 風味の特徴

トゥナパハの風味は、爽やかで軽やか。フェンネルの甘い香りとカレーリーフの独特な香りが、ココナッツミルクと絶妙に調和します。鼻を突き抜けるような清々しさがあり、後味がすっきりしています。

ガラムマサラの風味は、深く濃厚で温かみがある。カルダモンの華やかな香り、シナモンの甘く温かい香り、クローブのスパイシーな香りが複雑に絡み合い、まるで香りの層が幾重にも重なっているような豊かさがあります。

④ 相性の良い食材とベース

トゥナパハは、ココナッツミルクとの相性が抜群です。スリランカカレーの特徴である、ココナッツミルクのまろやかさとトゥナパハの爽やかさが見事に調和します。魚料理、野菜料理、豆料理など、幅広い食材に使えます。

ガラムマサラは、ヨーグルトベースの料理と相性が良く、特に肉料理に力を発揮します。ヨーグルトのクリーミーさとガラムマサラの複雑な香りが、深みのある味わいを生み出します。

⑤ 料理での役割

トゥナパハは、料理のベーススパイス。料理の土台となり、全体の味わいを支える存在です。トゥナパハなしにスリランカカレーは成立しないと言っても過言ではありません。

ガラムマサラは、料理のアクセントスパイス。すでに完成した料理に香りと個性を与える、いわば「仕上げの魔法」です。ガラムマサラを加えるか加えないかで、料理の印象が大きく変わります。

どちらを選ぶべき?使い分けのポイント

「結局、どちらを使えばいいの?」という疑問にお答えします。

スリランカカレーを作るなら→トゥナパハ
ココナッツミルクベースで、爽やかで軽やかなカレーを作りたい時はトゥナパハです。

インドカレーを作るなら→ガラムマサラ
ヨーグルトベースで、深みのあるコクのあるカレーを作りたい時はガラムマサラです。

実は、この二つは対立するものではなく、組み合わせて使うこともできます。トゥナパハでベースを作り、仕上げにガラムマサラで香りを加えるという使い方も可能です。それぞれの良さを活かした、あなただけのオリジナルカレーを生み出すこともできるのです。

本物のスパイスで、本場の味を

スパイスの違いを知ると、それぞれの国の文化や食に対する考え方まで見えてくるから不思議です。スリランカの爽やかで軽やかな風土、インドの複雑で奥深い文化、それらがスパイスブレンドにも反映されているのです。

そして、本場の味を楽しむために何より大切なのは、質の高いスパイスを使うこと。現地で丁寧に育てられ、適切に加工されたスパイスは、香りも風味も全く違います。

Light Giversでは、コロンボの中心地に在住するNazuhaさんと提携し、15種類のスパイスを使ったオリジナルトゥナパハを直輸入しています。Nazuhaさんは、B.F.Trading(Pvt)Ltdの代表者であり、主婦でもあります。

コロンボの中心地には、スリランカ全土から様々なグレードのスパイスが集まってきます。その中から、Nazuhaさんが厳選に厳選を重ねてセレクトし、独自の配合でブレンドしたのが、このトゥナパハです。

Nazuhaさんの料理の腕前を示す、こんなエピソードがあります。先日、親族が集まった際にNazuhaさんが料理を振る舞ったところ、毎日スリランカ料理を食べているスリランカ人たちから「こんなに美味しいトゥナパハはどこで売っているのか?」と問い合わせが殺到したそうです。本場の人々をも唸らせる味――それが、Nazuhaさんのトゥナパハなのです。

「買う時代から作る時代へ」――安心安全な食材で、あなたの手で本物の味を作る喜びを、ぜひ体験してみてください。

スパイスは単なる調味料ではなく、大地の恵み、そして作り手の愛が込められた宝物です。あなたのキッチンに本物のトゥナパハを迎えて、スリランカの光輝く島の風を感じてみませんか?

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